おやじの椅子

 あなたの椅子をお持ちですか?という質問に、大抵の人は居間のあのソファーのあのコーナーとか、ダイニングテーブルのあの席だとか答えます。しかし花森家具がおすすめしたいのは、もっと明確にあなた自身を象徴する椅子のことです。言い換えれば坐る人の分身的なもの。たとえば、父親が自分のために自分で選び、こよなく愛し続けている椅子。いつもそこで本を読み、お茶を飲み、時にはうたた寝をしてしまう椅子。「おやじの指定席」にふさわしく、少し威厳があり、どっしりと落ち着き、使い馴染んだ優しさのある椅子があれば、家族の誰もが知らぬ間に父親のイメージと重ね合わせるようになります。椅子の主が不在でも、「お父さんは?」「今日は出張。」「おみやげは何だろうね。」とか、なにかと話題に登場し、家族の絆が深まります。父親におやじの椅子があるように、奥様には奥様の、子供たちにもそれぞれ自分の椅子を持ちたいものです。レストランのように皆が同じ椅子では身体に合いません。それぞれの身体に合った椅子がいいのです。子供時代につけたキズや落書き、れっきとした成長の思い出。世界に二つとない大切な財産です。年月の中で使い込むほど本物の味わいとなる松本民芸家具は、技を磨いた職人たちの正直な手仕事。椅子だけでも、シンプルで美しい100種以上のデザインがあります。ご家族一人一人のお気に入りのものを、誕生日など買い足していくプランはいかがですか。