外国の家具

 外国の家具はしっかりしていると言われる人が多いのですが、日本人に合っているかというとどうでしょうか。たとえば椅子です。外国の生活では靴を履いたまま食事をしますが、日本の家庭の99%は靴を脱いで食事をしています。日本人がヨーロッパの椅子に座ったとき、カカト部分の高さだけでも座高に違いが出てきます。座高が高い椅子に座っていますと、ミカン箱に座っているのと同じで安まらず、本来の椅子の使い方が出来ていません。腰骨を椅子の背に付け、座面の前とふくらはぎに握拳位の隙間があり、足が床面にしっかりと着く椅子がおおむね自分に合った椅子です。ヨーロッパの座高の高い椅子を、日本人に合わせて足を切れば良いというデパート・家具屋もいますが、それではバランスが崩れ、揺れたり倒れやすく不安定で、本来の椅子の機能を発揮しません。姿勢が悪くなり、疲れて椅子が嫌になるのはその為です。日本では僧侶用の椅子は室町時代からありましたが、一般庶民には椅子の歴史はありません。私達は外国の椅子を手本にし、日本人の体格・生活に合った図面を引き、何回も何回も習作をし完成させてきました。だからこそお客様に大切に使っていただけたと思います。